
混合栓の交換方法と場所ごとのポイント

混合栓と一口にいっても、壁付けタイプや台付タイプなど取り付け形態が異なります。また、お湯と水をスムーズに調整できるシングルレバー式や温度を安定させるサーモスタット式など、機能面でもさまざまな選択肢があります。
交換の際には、必要な工具や事前の確認項目、メンテナンスのコツなどを押さえることで、水漏れや取り付け不良などのトラブルを防ぐことができます。自力で交換するメリットや業者依頼の費用相場も紹介いたします。
目次
混合栓の主な種類
壁付けタイプ
台付ワンホールタイプ
台付ツーホールタイプ
洗髪シャワー(コンビネーション)タイプ
サーモスタット混合水栓
交換前に準備するものと注意点
必要な工具と材料
水回りの元栓の止め方
交換に取り掛かる前のチェックリスト
タイプ別・混合栓の交換手順
壁付けタイプの交換方法
台付ワンホールタイプの交換方法
台付ツーホールタイプの交換方法
洗髪シャワー(コンビネーション)タイプの注意点
サーモスタット混合水栓の注意点
少しでも難しいと感じたら業者に相談!
設置場所別のポイント:キッチン・浴室・洗面台・トイレ
キッチンの混合栓を交換する際の注意点
浴室の混合栓を交換する際の注意点
洗面台の混合栓を交換する際の注意点
トイレの手洗い混合栓を交換する際の注意点
自力交換と業者依頼の費用相場・メリットを比較!
自分で交換する場合の費用とメリット・デメリット
業者に依頼する場合の費用相場と選び方
混合栓とは?単水栓や2ハンドル水栓との違い
混合栓とは、お湯と水をひとつの蛇口から同時に出せる水栓金具です。レバーやハンドルの操作によって希望の温度に調整しやすく、キッチンや浴室、洗面台など幅広い場所で利用されています。レバータイプのものが主流で、微妙な温度設定や水量のコントロールが直感的にできる点が特長です。
一方で、単水栓は水だけ、またはお湯だけを単独で出せる構造のため、温度調整をする場合には別の水栓との組み合わせが必要です。2ハンドル水栓の場合は左右それぞれをひねって温度調整を行うため、混合栓と比べて操作に手間がかかることがあります。ただし、2ハンドル水栓は耐久性に優れ、構造も単純なため修理・交換の際に部品交換が簡単という利点もあります。
最近では、シングルレバー式の混合栓が一般家庭で多く使われるようになりました。素早い温度調整や片手操作が可能なので、調理や洗髪時などに利便性が高いと評価されています。一度に水量・温度をコントロールしやすいことから、水の無駄使いを減らす効果も期待できます。
混合栓の主な種類
壁付けタイプ
壁付けタイプは、浴室や洗面所などでよく見られる混合栓の一種です。壁面から直接給水管・給湯管が出ており、その配管に蛇口を取り付けます。スペースを有効活用できるため、狭い浴室でも比較的取り付けやすいのが利点です。ただし、取り外しの際には壁の配管部分にしっかりシールテープを巻き直すなど、漏水に対する注意が必要です。
台付ワンホールタイプ
台付ワンホールタイプは、シンクや洗面台にあらかじめ設けられた一つの穴に取り付ける方式です。シングルレバー型が多く、片手で温度や水量を調整できるのが特徴です。キッチンや洗面台のデザインを損なわず、比較的簡単に取り付けられると人気があり、シャワーホース付きのモデルも存在するため、機能性重視の方にもおすすめです。
台付ツーホールタイプ
台付ツーホールタイプは、シンクや台に2つの穴があって給水管・給湯管をそれぞれ差し込み固定する方式です。2ハンドル方式が多いため、一見手間に感じるかもしれませんが、耐久性や修理もしやすいというメリットがあります。2つの穴の間隔(ピッチ)が製品ごとに異なるため、交換を行う際には事前に寸法を測って対応製品を選ぶことが重要です。
洗髪シャワー(コンビネーション)タイプ
洗面台やキッチンのシンクなどに設置し、レバーを操作してシャワーホースを引き出せるタイプの混合栓です。洗髪はもちろん、シンク周りの掃除や大きな調理器具を洗うときにも便利な構造となっています。ホースが引き出しやすいように下部スペースを確保する必要があり、取り回しを考慮して設置することがポイントです。こちらは取付タイプではないため、壁付け・台付を選べます。
サーモスタット混合水栓
サーモスタット混合水栓は、あらかじめ設定した温度をキープできる便利なタイプです。シャワー使用中に洗濯機などで水を使っても、温度変化が最小限で済む点が魅力といえます。主に浴室で利用されることが多く、安全面から子どものいる家庭にも人気があります。こちらも取付タイプではないため、壁付け・台付を選べます。
交換前に準備するものと注意点
必要な工具と材料
混合栓の交換に必要な工具としては、モンキーレンチやプライヤー、ドライバー、シールテープなどが基本的なところです。加えて、接続部分のパッキン交換や逆止弁の確認をする場合もあるため、取り付ける製品に合った部品を用意しておくと安心です。交換対象の混合栓本体は、サイズや取り付け方式をしっかり確認したうえで選びましょう。
水回りの元栓の止め方
交換作業を安全かつスムーズに進めるためには、必ず作業前に元栓または止水栓を閉めます。キッチンや洗面台の場合はシンク下や洗面台下に止水栓があることが多いので、しっかり確認してから作業しましょう。なお、元栓を止めたあとは蛇口を開いて水が出ないことを確認してから作業を始めると安心です。
交換に取り掛かる前のチェックリスト
交換前に確認すべきポイントとして、取り付け部の規格やピッチが合っているかをチェックすることが挙げられます。商品選定時点で確実に確認しておきましょう。さらに、作業スペースを確保し、水が飛び散らないようにバケツや雑巾を用意することも大切です。可能であれば工具の点検や部品の有無をリスト化しておくと、作業中に慌てずスムーズに交換できます。
タイプ別・混合栓の交換手順
壁付けタイプの交換方法
壁付けタイプを交換する際は、まず壁から出る配管部分を丁寧に掃除し、古いシールテープを取り除きます。次に新しいシールテープを反時計回りに巻いてから、新しい混合栓を取り付けましょう。レンチで締める際は過度な力をかけず、水漏れがない程度に確実に固定することがポイントです。
台付ワンホールタイプの交換方法
台付ワンホールタイプでは、シンクや洗面台下にある固定ナットを緩めて、古い混合栓を取り外します。次に新しい混合栓の本体と配管ホースを穴に通し、下部からナットでしっかり固定しましょう。ホースの長さと接続部のパッキンの向きを確認し、水漏れしないよう仕上げることが重要です。
台付ツーホールタイプの交換方法
まずはシンクや台の2つの穴に差し込まれた給水・給湯の配管をそれぞれ外します。取り外しの際には古いパッキンが破損しやすいため、新品のパッキンを用意しておくとスムーズです。新しい混合栓の寸法(ピッチ)が合っているか確認したら、同様に配管を挿入し、ナットで固定していきます。
洗髪シャワー(コンビネーション)タイプの注意点
洗髪シャワー付き混合栓は、シャワーホースを通すスペースを確認しておくことが肝心です。ホースや本体を取り付け後は、実際に引き出してみてスムーズに動くかをチェックしましょう。取り付けが不十分だとホースが引っかかったり水漏れが発生したりするため、慎重に作業を行うことが大切です。
サーモスタット混合水栓の注意点
本体を取り付けたら、温度調整ハンドルの位置を指示に従い正確にセットします。交換後はシャワーを数分間流し、水温が設定どおりに安定するかテストしましょう。温度差が大きい場合は、微調整や再取り付けが必要になることがあります。
メーカーにより調整方法などの指定があるので、製品付属の施工指示書・取扱説明書をよく確認しましょう。
少しでも難しいと感じたら業者に相談!
工具の取り扱いに不慣れだったり、作業手順に自信がない場合は、無理をせず専門業者に依頼しましょう。間違った取り付けは水漏れや配管破損につながり、結果的に高額な修理費が発生するケースも考えられます。プロに任せることで作業時間の短縮やアフターフォローも期待できるため、時間と安心を買うという意味でも検討する価値があります。すでに本体を取り外してしまっている場合は、取り付けるまでに元栓・止水栓を閉めている状態になってしまうため、すぐに駆け付けてくれるかを確認しましょう。
設置場所別のポイント:キッチン・浴室・洗面台・トイレ
設置場所によって配管の取り回しや混合栓の種類、注意点が異なります。それぞれのポイントを押さえましょう。
キッチンの混合栓を交換する際の注意点
キッチンの場合、シンク下のスペースを十分に確保して作業を行うことが基本です。フィルター付き蛇口などを取り付ける場合は、本体のサイズやホースの取り回しに配慮し、隙間をつくらないように注意しましょう。水栓下には調味料や洗剤などが置かれていることが多いので、事前に片づけておくと安全かつ効率的に作業が可能です。
浴室の混合栓を交換する際の注意点
浴室ではシャワー水栓の高さや向き、ホースの長さが使い勝手を大きく左右します。サーモスタットタイプを選ぶと急な水温変化を防止でき、快適にシャワーを浴びられるため人気が高いです。取り外した機会に、配管回りのカビや水垢をしっかりクリーニングしておくと衛生面もより安心です。
洗面台の混合栓を交換する際の注意点
洗面台は収納スペースの奥行きが限られている場合が多いため、交換時には作業スペースを確保する工夫が必要です。シャワー付きタイプを取り付ける場合は、ホースが収納スペースと干渉しないようチェックしておきましょう。作業中に洗面ボウルを傷つけないよう、用心して工具を使うことも大切です。
トイレの手洗い混合栓を交換する際の注意点
トイレの手洗い器に取り付ける混合栓は、スペースが非常に限られていることが多いです。特に製品を選定する段階に注意が必要です。手洗い器のサイズや水の吐水角度をよく確認しないと、水はねや狭さによる使いにくさにつながります。事前に設置場所と製品の寸法を照らし合わせ、快適に使えるかどうかを吟味してから交換を行いましょう。
自力交換と業者依頼の費用相場・メリットを比較!
自分で交換する場合の費用とメリット・デメリット
DIYで交換すると、工賃がかからないためコストを抑えられるのが最大のメリットです。自分のペースで作業でき、交換方法や混合栓の構造を把握する良い機会にもなります。一方で、工具をそろえたり施工ミスによる水漏れリスクがあるなど、初心者には多少ハードルが高い側面もあります。不慣れな場合は作業に時間がかかるため、その間水道が使えないなどのデメリットも出てきます。
業者に依頼する場合の費用相場と選び方
業者に依頼する場合は、交換作業自体の費用とあわせて出張費や部品代などを含めた見積もりが必要です。相場としては数千円から数万円程度ですが、選ぶ混合栓の種類や作業内容によって変動します。複数の業者に見積もりを問い合わせ、対応の早さや実績なども含めて総合的に判断するのがおすすめです。
よくある質問:交換のタイミングとメンテナンス
混合栓の寿命と交換時期はいつ?
一般的に混合栓の寿命は10年が目安といわれています。レバーの操作が重くなったり、水漏れが発生したり、温度調整がスムーズでなくなったら交換を検討するサインです。定期的なメンテナンスを行っていても、部品の劣化は避けられないため、交換時期を見極めることが大切です。
交換後のメンテナンス方法
交換後は、まず水漏れの有無やレバー操作の具合を定期的にチェックするところから始めましょう。フィルターが装着されている場合は、定期的に取り外して清掃すると水量低下や雑菌の繁殖を防げます。また、パッキン類の劣化を早期に発見するためにも、数カ月おきに簡単な点検を行うと安心です。
まとめ
混合栓はライフスタイルや設置場所に合わせて選び、正しい手順で交換・メンテナンスすることがポイントです。
壁付けタイプや台付タイプなどの取り付けタイプから、温度調整がしやすいサーモスタット混合水栓など幅広い種類があります。使用する場所や目的によって、適切なタイプを選ぶことで快適性が大きく変わります。長く使う設備だからこそ、交換時には事前の準備と正しい施工が重要です。
DIYでの交換はコストを抑えられますが、人によっては作業のハードルが高いことも。道具や作業手順に不安があれば、プロの業者に依頼することでスムーズかつ安全に取り付けができます。生活に不可欠な水回り設備だからこそ、適切なタイミングで交換し、快適な住環境を維持していきましょう。