
トイレタンクが割れた時の対処法! 修理・交換方法

トイレは日常生活で欠かせない設備ですが、タンクが割れてしまうと水漏れや床の損傷など深刻なトラブルに発展します。本記事では、トイレタンクが割れた際の応急処置や修理・交換方法、費用相場や賃貸物件での対応、保険・補助金の活用術、そして再発防止策まで幅広く解説します。
想定外のタイミングでタンクから水が漏れ始めると、二次的な被害が拡大しやすくなります。例えば床材の腐食やカビ発生はもちろん、賃貸の場合は大家や管理会社とのやり取りも必須となるため、迅速で適切な対応が求められます。
目次
応急処置で緊急時に対処する方法
水の元栓を止める
防水テープやパテを使った応急処置
床や壁、周囲の汚れや水を早急に拭き取る
賃貸物件の場合の対処方法
まずは管理会社または大家に連絡する
契約内容の確認~費用負担は誰?
修理・交換手配の流れ
トイレタンクの割れが起こる原因とは?
経年劣化によるひび割れ
外部からの衝撃・操作ミス
気温差による熱ショック
割れたトイレタンクから起こり得るトラブル
水漏れによる床や壁への二次被害
カビ・悪臭など衛生面への影響
放置による割れの拡大と修理費用の増大
DIYで修理を試みる場合の手順と注意点
適切な道具と部材の選択
シリコンコーキング剤・補修パテの使い方
DIY修理が難しいケース
トイレタンクの交換対応~費用相場と選び方
組み合わせ型トイレの場合
一体型トイレの場合
交換時期と費用相場
トイレタンク修理・交換を業者に依頼する時のポイント
どのタイミングで専門業者を呼ぶべきか
悪質業者を避けるためのチェック項目
水漏れ・亀裂が深刻な場合に業者がおすすめ
保険や補助金を活用できる?
火災保険・住宅保険で補償されるケース
トイレリフォーム補助金制度とは
保険・補助金申請手続きのコツ
応急処置で緊急時に対処する方法

トイレタンクが割れていることに気づいたら、まずは水漏れ被害の拡大を防ぐ必要があります。床材や壁紙は一度浸水すると修復が大掛かりになり、その分の費用もかかります。水道の元栓やタンク下の止水栓をすぐに閉めることで、被害範囲を狭めることができます。
さらに、タンク内を排水させることも重要です。タンク内から水を無くしておけば、ひび割れ部分から漏れ出すリスクを低減できます。応急処置を行いながら、同時に周囲の床や壁が濡れていないか、カビや腐食の兆候がないかを確認しておきましょう。
水の元栓を止める
トイレタンクからの水漏れを抑えるためには、最優先で水の供給を止める必要があります。トイレ横や廊下などにある止水栓や、水道メーター付近の元栓を閉めます。マイナスドライバーなどが必要な場合があるので、用意しておきましょう。水を止めてからタンク内の水を流し切ると、タンク内部に水が残りにくくなり、床や壁への二次被害を最小限に抑えられます。
防水テープやパテを使った応急処置
ひび割れが軽度、またはすぐに専門業者を呼べない状況では、防水テープやパテを用いた一時的な補修が有効です。これらはホームセンターに売っています。陶器やプラスチックの亀裂部分にしっかりと貼り付けたり、パテを塗り込んだりすることで、水漏れを抑えることができます。ただし、あくまで短期間の応急処置なので、早めに業者などに相談・依頼しましょう。
床や壁、周囲の汚れや水を早急に拭き取る
タンクが割れて水が漏れ出した場合、まずは周囲の水を素早く拭き取りましょう。放置すると床材や壁紙の剥がれ、カビの発生につながり、後処理がより難しくなります。タオルや雑巾で水分を取り除いたあとは、換気をして、二次被害を防止することが望ましいです。
賃貸物件の場合の対処方法

賃貸物件の場合は、管理会社や大家との連絡・契約内容の確認が必須になることがほとんどです。
賃貸物件では、入居者が設備を適切に管理する義務がありますが、通常の使用で生じた経年劣化の場合はオーナー側が費用を負担するケースもあります。トイレタンクの不具合が経年劣化によるものか、入居者の過失によるものかを明確にするためにも、写真や状況をまとめて、管理会社に連絡しましょう。
賃貸契約書には修繕費負担のルールが明記されていることが多いため、あわせて確認しましょう。契約書に記載のない場合でも、過去の修理事例や口頭での説明があるかもしれないため、連絡の際はメモできるようにしておくと安心です。
まずは管理会社または大家に連絡する
賃貸物件でトイレタンクが割れたら、最初に管理会社または大家に連絡しましょう。自身の判断で修理業者を手配すると、費用負担の問題などで後から揉める可能性があります。管理会社を通すことで実績があり信頼できる修理業者を紹介してもらえる場合が多いのも利点です。
契約内容の確認~費用負担は誰?
契約書に点検・修理費の負担割合が記載されているかどうかを確認し、故意や過失の有無について自己診断を行います。管理会社やオーナーから、借主に過失がないと判断されれば、修理費用はオーナー側の負担になることが一般的です。ただし、明確な判断がつきにくい場合は管理会社と相談し、事情を丁寧に説明して解決策を見つけましょう。
修理・交換手配の流れ
契約内容の確認や費用負担が固まってから、管理会社側が業者との連携を取って修理や交換の段取りを進めることが多いです。手配した業者が現場を見て、タンクの交換が必要か修理で対処できるかを判断します。交換が必要な場合でも、トイレの種類や型番を確認して部品手配を行い、最適な方法で修理を完了してもらいましょう。
トイレタンクの割れが起こる原因とは?

トイレタンクが割れる大きな原因の一つに、長年の使用による素材の劣化があります。陶器やプラスチックは経年で微細なひびが入りやすくなり、そこから水圧により割れが進行してしまう場合があります。トイレを10年以上使用している場合は、劣化が進んでいないか確認しておくとよいでしょう。
ほかの要因としては、タンクの上に重い物を載せる、強く叩いてしまうなどの行為によってひび割れが発生し、水漏れの原因になります。特に陶器製タンクは衝撃に弱いため、取り扱いは慎重に進める必要があります。
また、寒暖差が激しい地域や冬場の冷え込みが厳しい環境では、タンク自体が熱ショックを受けて亀裂が入りやすいです。定期的な点検と適切なメンテナンスが、こうしたトラブルの予防に有効です。
経年劣化によるひび割れ
陶器や樹脂素材のタンクは、何年も使い続けるうちに細かな亀裂が生じることがあります。これらの亀裂から徐々に水が浸食し、気づいたときには大きな割れになっていることもあります。定期的にタンクを点検し、少しでもひび割れが見つかったら早めに対処することが望ましいです。
外部からの衝撃・操作ミス
タンクの上に物を置いたり、トイレ清掃の際に強い力で叩いたりすると、もろい部分から割れが進む場合があります。特に陶器の場合は一見頑丈に見えて実は割れやすい特性があるため、注意が必要です。また、タンク内のレバー操作を無理に行うことも亀裂の原因になることがあるので、扱いは丁寧に行いましょう。
気温差による熱ショック
寒暖差が激しい地域では、タンクの素材が急激に収縮・膨張を繰り返し、亀裂や大きな割れを引き起こしやすくなります。冬場は特に注意が必要で、暖かい室内との温度差が大きいほどリスクが高まります。保温シートなどを活用して温度差を緩和する方法も検討してみると良いでしょう。
割れたトイレタンクから起こり得るトラブル
小さなひび割れでも放置すると、水漏れが想像以上に広い範囲に広がる可能性があります。床下にまで水漏れが到達すれば、フローリングの腐食やカビの発生を招き、さらに修理費用もかさむでしょう。タンク割れに気づいたら、できるだけ早く修理もしくは交換を検討することが望ましいです。
水漏れが起きる環境では湿気が増し、衛生面でのリスクも高まります。カビは見えない所でも繁殖しやすく、独特の悪臭やアレルギーの原因になる場合もあります。
水漏れによる床や壁への二次被害
タンクからの水が染み出すと、床下や壁の内側で木材が腐食したり、下地が傷んだりする恐れがあります。発見が遅れると、リフォームや大がかりな工事が必要になるため、コストも非常に高くついてしまいます。こまめな点検や早期対応が、こうした二次被害を防ぐうえで重要です。
カビ・悪臭など衛生面への影響
水分が多い状況はカビの温床となりやすく、カビが繁殖すれば空気中に胞子が飛び、室内の空気環境を悪化させます。特にトイレのような閉鎖的な空間では、悪臭がこもりやすいため日常生活にも支障が出るでしょう。結果的に健康被害につながる可能性もあり、早めの対処が不可欠と言えます。
放置による割れの拡大と修理費用の増大
小さなひび割れがあっても、そのまま使い続けることで亀裂がどんどん広がり、大規模な破損に至ることがあります。その場合、タンクだけでなく床や壁の修理・交換も必要になるかもしれません。結果として費用も時間もかかるため、早期段階で対処しておくほうがトータルコストを抑えることにつながります。
DIYで修理を試みる場合の手順と注意点

DIY修理を検討する際は、タンクの素材や割れの度合いをしっかり確認しましょう。陶器かプラスチックかによって適切な接着剤やパテが異なるからです。準備する材料と手順を間違えると、水漏れを止められないだけでなくさらに割れを広げる恐れもあります。
特に初めてDIYに挑戦する方は、補修前にタンク周辺の水分を拭き取り、割れ部分やその周囲を十分に乾かしてから接着剤を塗布しましょう。乾燥が不十分だと接着強度が落ちてしまい、補修効果が期待できなくなります。
切な道具と部材の選択
DIYでの補修を成功させるためには、タンクの材質に合った接着剤やパテを選ぶことが必須となります。陶器タンクなら耐水性かつ強力な接着剤、プラスチックなら素材に対応したパテやシーリング材を用意します。道具の選択を誤ると、作業のやり直しやさらなる破損を招く恐れがあります。
お店に買いに来ていて、わからない場合は店員に確認しましょう。
シリコンコーキング剤・補修パテの使い方
最初に割れ周辺を清潔にしてから、ひび割れを広げないよう慎重に作業を進めましょう。シリコンコーキング剤やパテを使用する際は、説明書に書かれた乾燥時間や必要量を厳守するのがポイントです。時間をかけてしっかり硬化させれば、水漏れを最小限に抑えることができます。
DIY修理が難しいケース
割れが大きい場合やタンク全体の劣化が進んでいる場合は、DIYでの修理はあまりおすすめできません。補修を試みても再び水漏れが発生し、結果として費用や作業時間が二重にかさむ場合がほとんどです。明らかな水漏れを起こしている場合は、専門業者への依頼することをおすすめします。
トイレタンクの交換対応~費用相場と選び方

トイレタンクが大きく割れて修理が困難な場合は、交換を視野に入れましょう。まずは自宅のトイレが組み合わせ型か、一体型かを確認する必要があります。組み合わせ型ならタンク部分だけの交換が可能なケースがありますが、一体型の場合はトイレ本体ごと交換が必要になることが多いです。
タンク交換を検討する際には、メーカーや型番の確認が必須です。古い機種だと部品の生産終了により入手困難な場合もあり、その場合は便器ごと交換する必要に迫られます。交換費用にはタンク本体の価格だけでなく、工事費用も含まれるため、見積もりの際は複数業者から取り寄せると費用を最小限に抑えられるでしょう。
組み合わせ型トイレの場合
タンクと便器が別々のパーツになっている組み合わせ型は、タンクのみ新品に付け替えが可能です。ただし、メーカーや年式によっては後継品との互換性が限られる場合があります。交換時には型番をしっかり調べ、適合するタンクかどうかを確認してから購入することが大切です。
一体型トイレの場合
タンクと便器が一体となったタイプでは、部分交換が難しいことがほとんどです。もし現状が組み合わせタイプで、故障箇所がタンク以外にも及んでいる可能性がある場合は、一体型の省エネ性能の高い製品を検討すると、ランニングコストの面でも貢献できるでしょう。
交換時期と費用相場
トイレ設備は一般的に10~15年程が寿命とされており、部品の入手が難しくなると交換のタイミングと考えられます。タンク本体の価格は2~6万円程度、工事費込みで4~9万円ほどが相場ですが、一体型のトイレや最新機能付きトイレではさらに高額になることもあります。予算や必要な機能を踏まえて総合的に判断することが大切です。
トイレタンク修理・交換を業者に依頼する時のポイント

修理・交換を業者に依頼する決め手は、費用も大切ですが、作業の確実性とスピードにあります。特に水漏れが深刻になっている場合には、DIYでは対応しきれない広範囲のダメージがあるかもしれません。業者による現地調査で、タンク以外にも問題がないかを総合的に見てもらうと、後々のトラブルを防ぐことにつながります。
また、依頼先を選ぶ際は必ず複数社から見積もりを取り、価格と作業内容を比較検討しましょう。あまりにも安すぎる見積もりは作業内容が不十分な可能性がありますし、逆に過剰な請求をする悪質業者が紛れていることもあります。事前に口コミや保有資格、アフターサービスなどを確認すると安心です。
どのタイミングで専門業者を呼ぶべきか
タンクから水があふれる、もしくは複数箇所に亀裂が入っているなど緊急度が高い場合は、早めの業者依頼を検討しましょう。DIYで一時的に対処できそうに見えても、内部構造に深刻なダメージが及んでいるかもしれません。放置すれば被害が拡大して修理費も膨らむため、専門家の力を借りるのが無難です。
業者が来るまでの期間は、可能であれば防水テープなどで応急処置をしておきましょう。
悪質業者を避けるためのチェック項目
まずは見積書の内訳がハッキリしているかどうかを確認し、複数の見積もりで部品代や作業費が適正な価格か比較検討しましょう。また、アフターサービスの有無や保証内容を事前に確認することも大切です。実績が確認できない業者や口コミ評価が極端に低い業者は避け、相見積もりを活用しながら総合的に検討するのがポイントです。
水漏れ・亀裂が深刻な場合に業者がおすすめ
DIYが得意な方でも、深刻な亀裂やタンク内部のパーツ交換が必要な状況では専門知識が必要になることがあります。誤った補修方法で逆に被害を拡大してしまうと、時間も費用も二重かそれ以上にかかってしまいます。安全で確実な仕上がりを望むなら、信頼できる業者に依頼するのが賢明です。
保険や補助金を活用できる?

トイレの水漏れや破損が火災保険・住宅保険などの給排水設備トラブル補償に含まれているケースもあります。保険内容によっては、自然災害や不意の事故が原因であれば、修理費用の一部または全額がカバーされることがあります。まずはご自身の保険契約の特約をチェックし、対象となっているかを確かめましょう。
自治体によっては、バリアフリー推進や省エネ対策としてトイレの改修に対する補助金制度が用意されていることがあります。具体的には、高齢者や介護を必要とする家族がいる世帯、または省エネ機能を持つ新型トイレ導入に対して一部費用を補助する制度が挙げられます。
火災保険・住宅保険で補償されるケース
給排水設備の故障が自然災害や突発的な事故が原因で生じた場合は、火災保険や住宅総合保険で修理費用が賄われることがあります。ただし、経年劣化などの通常使用による破損は保険金の支払い対象外となることが多いです。保険会社に連絡して、契約詳細を確認しておくと安心です。
トイレリフォーム補助金制度とは
高齢者や障がい者の介護環境を整備する目的で設けられた補助金制度も存在します。例えば、立ち上がりしやすい手すり付きトイレへの交換や、節水型トイレへのリフォーム計画が条件を満たすと補助金が受けられる場合があります。詳しくは各自治体のホームページや窓口で確認するとよいでしょう。
保険・補助金申請手続きのコツ
申請手続きでは、割れたタンクの状況写真や、見積書・領収書などの書類が必要になることが多いです。審査をスムーズに進めるためにも、修理が終わる前に写真をしっかり撮り、費用詳細を明確にしておきましょう。不備があると申請が通りにくくなるので、準備はあらかじめ入念に行うことをおすすめします。
トイレタンクが割れないための再発防止策

トイレを新しくした際に、タンク割れの再発を防ぐには、日頃からタンクに衝撃を与えないよう用品の置き場所を工夫するなど、利用方法を見直すことが重要です。タンクの上に重い物を載せるのを避けるだけでも、割れるリスクは大幅に下がります。また、経年劣化を早期に発見できるように、定期的な点検を習慣化すると安心です。
室内と外の気温差が激しい地域では、そこからくる遅効性の負荷がタンクにダメージを与えていることがあります。断熱シートや暖房器具を活用して、極端な温度変化を緩和する工夫も検討しましょう。正しい日常ケアを行うことで、トイレ本体とタンクを長持ちさせられます。
定期点検と早期発見の重要性
タンク周辺を月に一度でもチェックしておくと、小さな亀裂や水滴の痕跡を見落としにくくなります。早期に発見すれば軽微な修理で済む場合が大半で、大掛かりな交換を避けられる可能性が高まります。トイレの使用時や掃除の際に意識して観察する習慣をつけましょう。
正しい使い方・衝撃を与えない
重い洗剤や雑多な物をタンクの上に置くと、意識せずに強い力がかかりひび割れを起こす原因となります。また、タンクのレバーを過度な力で操作するのも控えましょう。ちょっとした心がけで、タンク割れのリスクを大幅に低減できます。
外気温と室内温度差に注意
特に冬場は、外気温と室内温度の差が大きくなりやすいため、タンクには予想以上のストレス(収縮・膨張)がかかります。窓や壁の断熱対策を行う、暖房を一定の温度に保つなど、環境面でのケアも重要です。極端な温度変化を防ぐことで、タンクの寿命を延ばすことができます。
まとめ
トイレタンクの割れは放っておくと深刻な水漏れ事故につながります。いざという時に素早く対応するために、ぜひ本記事の内容を参考に備えておきましょう。
トイレタンクの割れは、思わぬタイミングで起きてしまうことがあり、床や壁のダメージ、カビの発生など二次被害が拡大するリスクを伴います。小さなひび割れを見つけた段階で適切に対処すれば、修理費用を抑えられるだけでなく、生活への影響も最小限に抑えることができるでしょう。
応急処置やDIYでの修理方法、業者への依頼のポイント、賃貸物件での費用負担や保険・補助金の活用など、複数の観点から解説しました。再発防止策を含め、普段からこまめにチェックしておくことで、急なトラブルにも落ち着いて対応できるはずです。