トイレのオーバーフロー管交換を徹底解説! 破損の原因からDIY手順・費用までまるごと紹介
トイレのオーバーフロー管は、タンク内の水位を調整する上で欠かせないパーツです。しかし、長年の使用や誤った取り扱いによって故障・破損することがあります。本記事では、オーバーフロー管の役割や破損した原因、さらにDIY交換の手順や費用相場などを詳しく解説します。
外部業者に依頼するか自分で交換するかを迷う方も多いかもしれません。どちらにもメリット・デメリットがあるため、選択のポイントを確認し、快適な水回り環境を取り戻すための参考にしてください。
目次
オーバーフロー管が故障・破損する主な原因
①経年劣化によるヒビや変形
②掃除中や部品交換時の誤った力のかけ方
③節水目的のペットボトル投入などによる破損
DIYで準備したい工具・部品リストと作業前の注意点
必要な道具:レンチ・プラスドライバー・交換用オーバーフロー管など
作業時の安全対策と衛生面への配慮
トイレのオーバーフロー管を自分で交換する手順
STEP1|止水栓を閉め、タンク内の水をしっかり流す
STEP2|給水管を外してタンクのフタを取り外す
STEP3|タンク固定ナットを外し、タンクを取り外す
STEP4|オーバーフロー管を取り外し、新品に交換する
STEP5|タンクや給水管を元に戻し、水位調整と動作確認
オーバーフロー管交換の費用相場はどれくらい?
DIYの場合にかかる部品費・道具代
業者に依頼する時の費用帯と見積もりのポイント
オーバーフロー管とは?役割・仕組みは?
オーバーフロー管は、トイレタンク内で水位が上がりすぎた時に便器へ水を逃がす役割を持っています。万が一、浮き球や給水弁が故障して水が止まらなくなった場合でも、水位を一定の高さ以上にならないようにする機能を担うため、安全装置のような位置付けです。多くの場合、樹脂製の細い管でできており、長年の使用によって劣化やひび割れが起きやすい点には注意が必要です。定期的に点検することで、水回りのトラブルを未然に防ぐことができます。
サイフォン管との違い
製品や構造に違いはなく、オーバーフロー管の別称になります。メーカーにより構造が定義されている場合もありますが、基本的には同じものになります。
オーバーフロー管が故障・破損する主な原因
オーバーフロー管は硬いように見えて実は衝撃や負荷に弱い部品です。経年劣化が進むと材質が脆くなって割れやすくなります。また、タンク内で常に水道水にさらされているため、水道水に含まれる成分などが付着して劣化するケースもあります。
①経年劣化によるヒビや変形
トイレのオーバーフロー管は樹脂製が多いため、長期にわたって水に浸り続けることで徐々に素材が劣化します。素材が弱くなった状態で強い力がかかると、わずかな衝撃でもひび割れが起こりやすいです。さらに、水道水に含まれる成分が硬化や変形を促進することもあります。特に築年数の長い住宅でオーバーフロー管に不具合が出たときは、経年劣化が大きな原因となっている可能性が高いです。
②掃除中や部品交換時の誤った力のかけ方
日常的にタンク内部の掃除を行う際や、他の部品を交換するためにタンク内を触る時に、思いがけず強い力をかけてしまうケースがあります。オーバーフロー管は力のかかり方によっては急に折れることもあるため、作業時は丁寧に行う必要があります。工具を使うときは適切なサイズと使い方を意識し、固着しているナットやパーツを無理に回さないなどの注意が重要です。
③節水目的のペットボトル投入などによる破損
トイレのタンク内にペットボトルを入れて節水を図る方法は、オーバーフロー管や他の部品の動きを妨げる可能性があるため推奨されません。ペットボトルを固定していない場合は、中で動いてしまいオーバーフロー管や付近の部品に接触して、余計な負荷がかかる恐れがあります。節水を考える場合は、節水型便器への交換など正しい方法を検討しましょう。
オーバーフロー管が破損した時に起こる症状と応急処置
オーバーフロー管が破損すると、タンク内の水が便器へ流れ続けて止まらない、あるいはタンク内で水漏れが起きて床が濡れるなどの症状が見られます。素早い応急処置としては、まず止水栓を閉めるか水道の元栓を閉じて水の供給をストップしましょう。その上でタンク内にたまった水をしっかり流し、床や便器まわりの水滴を拭き取っておきます。バケツや洗面器で水を流すという方法も一時的な対処として有効ですが、根本的に解決するにはオーバーフロー管の交換が必要になります。
DIYで準備したい工具・部品リストと作業前の注意点
オーバーフロー管のDIY交換は可能ですが、トイレタンクに触れ慣れていない場合は部品を破損させるリスクがあります。そのため、事前に必要な工具や部品を揃えると同時に、作業手順をしっかり確認しておくことが大切です。衛生面にも気を配り、タンク内は雑菌が多い可能性があるので、ゴム手袋や雑巾を用意してタンク周辺を清潔に保ちましょう。作業スペースを十分に確保し、部品を一時的に置く場所を整理することでスムーズに進められます。
必要な道具:レンチ・プラスドライバー・交換用オーバーフロー管など
DIYでオーバーフロー管を交換するには、モンキーレンチやウォーターポンププライヤー、プラスドライバーなど基本的な工具が必要です。交換用のオーバーフロー管はトイレの型番に合ったものを選ぶのが重要で、メーカーの純正部品であれば装着ミスが起きにくいでしょう。ホームセンターや通販サイトで購入できるため、事前に規格を調べておくとスムーズに選べます。シールテープやパッキンの予備も用意しておくと、万一の漏れ対策に安心です。
作業時の安全対策と衛生面への配慮
トイレタンク内の作業は水回り特有のリスクがあるため、感電や滑りなどの対策をしっかり行いましょう。タンクのフタや工具が濡れていると手が滑って落としやすくなるため注意が必要です。雑菌が多いため、使い捨て手袋やゴーグルを着用するのも衛生面と安全面で効果的です。さらに、一度バケツや洗面器で流してから作業すれば作業性が向上し、細菌などのリスクも軽減できます。
トイレのオーバーフロー管を自分で交換する手順
オーバーフロー管の交換は、タンクの取り外しを伴うことが多いため、作業手順を把握しておくと安心です。部品を外していく順番を間違えると漏れが起きやすくなり、トイレ以外の場所を水浸しにしてしまう恐れもあります。各ステップごとに必要な工具や注意点を押さえ、ゆっくり着実に作業を進めましょう。初めて作業する際は予想外の時間がかかることもあるため、余裕を持って着手することをおすすめします。
STEP1|止水栓を閉め、タンク内の水をしっかり流す
最初に必ず行うのが止水栓を閉める作業です。止水栓はトイレタンク近くの壁から伸びる配管に付いており、右回しで閉まる場合が多いのでしっかり回して水を止めましょう。次に、レバーを操作してタンク内の水を一度流し切ることで、作業中の水漏れを大幅に軽減します。トイレの水がタンク内に残っていると、取り外し時に周囲が水浸しになる恐れがあるため、この手順を徹底してください。
STEP2|給水管を外してタンクのフタを取り外す
給水管とタンクをつなぐナットをレンチなどでゆるめて取り外しますが、この時無理に回さず、ゆっくり丁寧に扱うことがポイントです。給水管を外したら、タンク上部のフタを持ち上げて取り外しますが、フロートバルブやレバーがフタに直結している場合は、連結部分を丁寧に外してください。フタは陶器製の場合が多く、割れやすいため、確実に置き場を確保して安全に管理します。フタ内部のレバー周りに汚れが付着していることがある場合は、同時に清掃しておくと後が楽です。
STEP3|タンク固定ナットを外し、タンクを取り外す
タンクを便器本体に固定しているナットをレンチでゆるめていきますが、長年使用されたタンクだと固着している場合があります。力任せに回すと陶器部分を破損させる恐れがあるので、ゆっくりと、加減を見ながら行ってください。ナットが外れたら、タンクをそっと持ち上げて便器側から取り外します。タンク内部にはまだ少量の水が残っている可能性があるため、古いタオルや雑巾をすぐ当てられるように、近くに用意しておくと安心です。
STEP4|オーバーフロー管を取り外し、新品に交換する
タンクの底部付近にあるオーバーフロー管を、固定用のナットやクリップなどを外して取り外します。オーバーフロー管は、規格やサイズがトイレメーカーと合っているかどうかが重要です。位置や高さを適切に合わせ、固定用の部品やパッキンを確実に取り付けましょう。問題がなければ、取り外しと逆の手順で取り付けます。
STEP5|タンクや給水管を元に戻し、水位調整と動作確認
交換完了後はタンクを便器に乗せて固定ナットを締め、給水管を再度接続します。止水栓を開けて水を貯め、タンク内の水位が適切かどうかをチェックしましょう。水位が高すぎる場合はフロートバルブを調整し、試しにレバーを操作して漏れや異常音がないか動作確認を行います。異常がなければ、タンクのフタを元の位置に戻して作業は完了です。
オーバーフロー管交換の費用相場はどれくらい?
オーバーフロー管自体はホームセンターや通販で2,000円~5,000円ほどで入手できるため、DIYで交換すれば部品費は比較的安く済みます。ただし、工具を持っていない場合はモンキーレンチやプライヤーなどの道具代が、1つあたり1,000円前後かかります。業者に依頼する場合は、部品代込みで12,000円から30,000程度と地域や業者によって違ってきます。トラブルの状況によっては関連部品の交換も必要になるため、作業内容をしっかり確認してから業者へ依頼するか検討しましょう。
DIYの場合にかかる部品費・道具代
DIYなら、オーバーフロー管本体が2,000円~5,000円程度、工具がなければ追加で1,000円~3,000円ほどかかるケースが多いです。タンクの密結パッキンやシールテープなど細かい部品もあわせて購入することで、交換時の失敗を防ぎやすくなるうえ、水漏れリスクを軽減できます。作業自体は手間がかかりますが、自分で行えば業者の工賃を節約できるメリットが大きいと言えます。初めての方は手順をしっかり確認し、余裕を持って作業時間を確保すると安心です。
業者に依頼する時の費用帯と見積もりのポイント
水道修理業者やリフォーム業者に依頼する場合は、部品交換に加えてタンクの脱着や部品調整などが基本料金内に含まれる範囲を確認することが重要です。相見積もりを取ることで、追加費用が発生しないかどうかや、出張費の有無を比較することができます。即日対応や保証サービスがある業者を選べば、長期的に安心して使い続けられるでしょう。料金だけでなく、口コミや実績も参考にして業者を選ぶことをおすすめします。
賃貸物件でトイレのオーバーフロー管が破損した場合の注意点
賃貸物件でトイレの故障が発生した場合、勝手にDIYで交換して良いかどうかは契約内容によって異なります。通常は管理会社やオーナーに報告し、指示を仰ぐことが原則です。オーバーフロー管の交換費用をどちらが負担するのかも契約状況によって変わりますが、経年劣化が原因の場合はオーナー側の負担となるケースが多いです。ただし、誤った使い方が原因で破損した場合には借主が修理費用を請求されることもあるため、まずは自己判断せずに連絡を取るようにしましょう。
専門業者への依頼はアリ?メリット・デメリットを比較
専門業者に依頼すれば、迅速かつ確実に修理を完了させられるのが大きなメリットです。関連部品の点検や今後のトラブルを予防するアドバイスももらえるため、付加的な安心感が得られます。ただし、どうしても工賃や出張費がかかるためDIYよりは費用が高くなるのが一般的です。自力での交換は費用を抑えられる反面、タンクの取り外しや工具の使い方に不慣れだとトラブルが拡大するリスクもあるため、時間や技術力、そして安全面を考慮して選ぶとよいでしょう。
まとめ
オーバーフロー管はタンク内の水位を守る重要な部品であり、経年劣化や誤った使用で破損することがあります。破損時には止水栓を閉めるなど応急処置を行いながら、DIYで交換するか業者に依頼するかを検討しましょう。DIYでは費用を抑えられますが、作業ミスによる追加トラブルに注意が必要です。賃貸契約の方は管理会社への確認を怠らず、快適に使い続けるための修理方法を適切に選ぶことが大切です。

